kanon 「小春日和」
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「朝〜、朝だよ〜」
zzzzzzzzzzzz・・・・・・・・
「朝ご飯食べて、学校にいくよ〜」
バシ!
目覚ましを止めて、俺は目をぱちぱちさせて体を起こした。
名雪からもらったこの目覚まし、なぜか起きれるんだよな。
条件反射ってやつかも・・・って、あーーーーー!
「今日は日曜日じゃないか!!」
カレンダーの日付には、しっかり赤文字で休日となっていた。
あーあ、何が悲しくて休日のこんな朝早く起きなければならないんだ。
ファーア・・・ねよねよ・・・・zzzzzzzzzzzz
「もう朝だよ、祐一君!」
・・・おや?目覚まし、さっき止めたはずだよな・・・・
「ボクとの約束忘れたの、祐一君」
・・・約束?訳の分からないことを言う目覚ましだな・・・・・
「うぐぅ、起きてよ」
ああ、もううるさい目覚ましだな・・・・えい!
ばし!
気持ちいい音が響き、音(?)が止まった。
・・・って今の感触、目覚ましじゃなかったような・・・・
じゃあ、今俺が叩いたのは何だ?
完全に目を覚まして視線を向けると、そこには・・・・
「うぐぅ、ひどいよ、祐一君」
目に涙を溜めて、あゆあゆが頭を押さえていた。
「あゆあゆじゃないよ」
「何で分かるんだ、お前?声に出してないのに」
「祐一君の顔を見れば分かるよ」
「そんなことより、なんであゆがここにいるんだ?」
「うぐぅ、もうお昼になるよ、早く起きないと」
「だからなんであゆが起こしに来てるんだ?」
「だって祐一君がいつまでたっても、待ち合わせの場所に来ないから・・」
「待ち合わせ?・・・・・・あーーーー!!」
そうだ、思い出した!今日はあゆと商店街にいく約束してたんだっけ?
それでいつものベンチに10時にって約束をしてたんだ。
くはあ、すっかり忘れてた。
それで目覚ましが朝鳴ったのか。
「その顔は忘れてたんだね、祐一君」
う!するどい・・・。しかしここで認めてしまえば男がすたる。
「違うぞ、あゆ。俺は忘れてたんじゃない」
「うぐぅ、ならどうしてこなかったの?」
「俺の7000億の脳細胞が今日の朝、一斉にシャっトダウンして
ノーリングウエイがパラダイズ化してこうなったんだ」
「うぐぅ・・また難しいこと言ってごまかしてる」
「さーて、朝ご飯でも食べるか」
「何事もなかったかのように去らないでよ」
「おお、あゆじゃないか!今日も元気そうで何よりだ」
「大袈裟すぎるよ、祐一君」
「ならどうしろというんだ?」
「うぐぅ・・祐一君が極端すぎるんだよ」
「そうか?」
「そうだよ!」
「さて、着替えるか」
「うぐぅ、話を進めないでよ、祐一君」
「なんだ、あゆ?着替えがみたいのか?」
俺がパジャマを脱ごうとすると、
「わ、わ、ボ、ボク、外にいってるね」
慌てて、あゆが外に出る。そして、
ドタドタドタバターーーーン!!
「・・・うぐぅ、いたいよ〜」
どうやら慌てて階段から落ちたようだ。
俺は苦笑しつつ、着替えを済ませた。
もうすぐ春も近いだけあって、今日はかなり暖かい。
商店街のほうも、休みのせいもあって人で賑わっていた。
「さーて、今日はどこいこうか、あゆ・・ってお前、まだ
怒ってるのか?」
「うぐぅ、祐一君が悪いんだよ」
遅刻したことと忘れていた事と階段から落ちたことを
そんなに根に持つとは・・って誰でも怒るか(笑)。
「ホラホラ、機嫌なおせって」
「うぐぅ・・・・・・・・・」
「わかったわかった。お詫びに今日はおごるから」
「ほんと、祐一君!」
一瞬で機嫌が直ったらしい。むくれてた顔が笑顔になる。
「ああ。なにがいい?」
「タイヤキ!!」
やっぱりな・・・・・・
「いつものタイヤキ屋でいいか?」
「うん!あのおじさんのタイヤキ、ボク、好きなんだ!」
「二度も食い逃げしたけどな」
「うぐぅ、ちゃんとお金払ったよ」
泣きそうな顔であゆはいった。
「お金は払っても食い逃げは食い逃げだぞ」
「うぐぅ・・・祐一君の意地悪」
「わああ!泣きそうな顔するな!!いくらでもおごってやるから」
「じゃあ、5個!!」
「・・・・・わりと遠慮しないな、お前」
そんなことを言いあいながら、俺達はタイヤキ屋に向かった。
「青空で食べるたいやきは美味しいね、祐一君」
「そうか?・・・・」
ちなみに今俺達が食べている場所は、いつものベンチである。
今日は日差しもよく、いい天気なので、ここで食べようと
あゆが言い出したのだ。
それにしても・・・・
「いつも幸せそうに食べるな、あゆは」
「え?なにが?」
「たいやき。いつもなんか幸せそうに食べてるじゃないか」
「・・・それはね、祐一君。ボクにとってタイヤキは、
思い出だから」
「・・・・・・・・」
「祐一君があの時くれたタイヤキ、本当に美味しかったんだ」
「あゆ・・・・・」
「寂しかった心がね、ぽかぽかって暖かくなったんだ」
あゆはなつかしそうにタイヤキを見つめている。
「だからこうやって祐一君とタイヤキ食べると、
いつもぽかぽかあったかくなれるんだ、ボク・・・・」
照れくさそうにあゆは頬をかいている。
そんなあゆを見ながら、俺は・・・・
「あのさ、あゆ・・・」
「どうしたの?祐一君」
「桜が咲いたらさ、花見でも行こうか?」
「え?・・・うん!行こう!!」
寒かった冬は終わりをつげ、春はすぐそこまできていた。
<終>
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