悠久幻想曲 「ヴァンパイア・ジュエル」第二話

注:ここでの主人公の名は悠です。




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「「「「ヴァンパイア!!」」」」

俺はとっさに立ち上がり、シーラ、パティを
自分の後ろに下がらせた。
アレフも警戒しながら、アリサさんの方へ近づいている。
「で、そのヴァンパイアさんが何のようだ?
万が一、シーラ達に手を出したら絶対許さねえぞ」
俺は腰に下げている剣の柄を握り締める。
「悠君・・・・」
「悠・・・・・」
シーラとパティも俺の背中のほうに隠れる。
「ま、待ってくださいよ。私はあなたたちに危害なんて
くわえるつもりはありませんって・・・」
妙におどおどした態度で、そのヴァンパイアは言った。
「本当か?」
「あてにならないな・・・・」
俺とアレフは互いにうなづきあった。
「本当ですって!私はそんな野蛮なことなんて できませんよ。とても恐くて・・・」
うーん・・・確かに見た目も態度も、いかにも
ひ弱そうなおっさんにしか見えないけど・・・・・・。
こういうタイプは油断してたら、いきなりぐわっと
襲いかかってくるからな。信用していいのかどうか・・・
「大丈夫よ、悠君。そちらの方はそんなことをするようには見えないわ」
アレフの後ろにいたアリサさんが俺に言った。
「私は目はそんなによくないけれど、人を見る目くらいはあるつもりよ」
・・・・アリサさんがそこまで言うのなら、きっとそうなのだろう。
俺は警戒を解き、依頼人に頭を下げた。
「疑ってしまってすいませんでした」
「い、いえ。そんなに気にしないでください」
その依頼人は慌てて手を振りながら言った。
「私は全然気にはしてませんから。頭を下げられたら
こちらが困ってしまいますよ」
「そうですか・・・すいませんでした」
俺はもう一度謝罪し、顔を上げた。
その後アレフ達も丁寧に詫びた後、アリサさんがお茶を入れて
場を和ませてくれた。


その後少しして、俺達は依頼人から詳しい話を聞くことにした。
「それでご依頼というのは?」
「・・・実はある石を探してもらいたいのです」
「石・・ですか?」

依頼人の話を要約すると・・・・・・・

依頼人・・・ハーリーさんは純粋なヴァンパイア族ではなく、
その一族の血をひいているハーフにあたるという。
昔とは違って、純粋なヴァンパイア一族は数を減らし、
人間との混血をへて、今の時代を生き抜いているようだ。
だがその強力な魔力は今も有しており、ヴァンパイアが持つ本来の能力は
遺伝しているらしい。
そして、人間の血を吸うといった栄養の摂取は廃れつつあり、
今では魔力がこもった鉱石などから魔力を吸収し、己の糧にしている
とのことだった。


「それでその鉱石をなくした・・・と言うことですか?」
「はい・・・お恥ずかしい話ですが、昨日趣味の空の散歩を
楽しんでいたら、首から外れてしまい・・・」
「え?首からってネックレスか何かなんですか?」
「はい・・・それで慌てて降りて探したのですが見つける事ができず
途方に暮れてしまって・・・・その時にジョートショップの噂を
おききしまして・・・ここへ・・」
なるほど、大体の話は分かった。
「お願いです!どうかあれを探し出してください!でなければ
私は・・・私は・・・・・」
涙ぐみながら、ハーリーさんは頭を下げる。
「悠君、手伝ってあげましょ」
「そうだな、この人の命がかかってるんだ。悠、いっちょ手伝おうぜ」
「そうね。みんなで探せばきっと見つかるわよ」
さっきまで疲れてたはずなのに、みんなはこの人のために
やる気を出している。
よし、俺も気合いれるか!
「分かりました。俺達が必ず見つけだしてみせます」
「本当ですか!ありがとうございます、ありがとうございます」
ハーリーさんは俺の手を握り締め、ぶんぶん振りながら
何度も頭を下げる。
いや、まだ見つかってないのにそんなに喜ばれると、
ちょっとプレッシャー感じるな・・・・
「それじゃあどうする?明日から探してみるか?」
アレフが窓の外を見ながら聞いてくる。
「そうだな・・・今からじゃ暗くて探しづらいからなあ・・・・」
今やもう完全に日が暮れて、窓の外も真っ暗になっている。
「・・・あのー、すいません、今晩中にお願いしたいんです」
ハーリーさんはもうしわけなさそうに言ってくる。
「どうして?この暗さじゃ見つけにくいと思うけど・・・・」
パティの言う通りである。暗闇じゃまともに目が利かない
「・・・・はい、実は私たちのような種族は、一日に一回は、
魔力の補給が必要なんです。ところが、私は昨日の夜から、
補給ができておらず、このままだと・・・・・」
「あぶないってことか?」
「はい・・・・・・・・」
時間制限ありか・・・。かなり厳しいな。 でもやるしかない。
「悠君、急ぎましょう」
「ああ、じゃあまず落とした場所からあたってみよう。案内お願いします」
「わかりました」
「それじゃあアリサさん、行ってきます」
「なんとか力になってあげてね」
こうして、俺達は行動を開始した。








<第三話に続く>

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