kanon 「桜咲く季節に 第一話」




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「朝ー、朝だよー」

「朝ご飯食べて、学校に行くよー」

バシ!

名雪のまのびした声が、部屋から響く。
俺は目覚し時計を止めて、ベットから起き上がる。
「さて学校にいかないとな・・・」
俺はすばやく制服に着替え、部屋から出た。


ドンドンドン!

「名雪、起きろ!おい、名雪!」
俺は名雪の部屋のドアをノックし続ける。
部屋からうるさいくらい目覚し時計のベルが聞こえてくる。
こんなにうるさければ起きそうなもんだが、
あいつは並みのねぼすけじゃない。
これぐらいやらないと昼まで寝てしまうかもしれない。
「おい、遅刻するぞ!早くおきろって!」
全然起きる気配がないので焦っていると、
「うにゅー」
お、どうやら起きたみたいだな。
目覚しの音が少しずつ無くなっていっている。
「名雪、起きたか?」
「起きたおー・・・・」
ほんとかよ・・・・。
「じゃあ本当におきているなら、そこで「蛍の光」を歌ってみろ」
「・・・ににゅ・・・・・ほーたーるのひーかーり・・・・」
おいおい、本当に歌っているよ、こいつ。
豪快に寝ぼけてるな、絶対。
「俺は下に行ってるから、早く着替えてこいよ」
「・・・・・まーどのゆーき・・・・・・・・」
名雪の歌声を背に、俺は一階に降りた。


「おはようございます、祐一さん」
食堂へ行くと、秋子さんが朝ご飯の支度をしていた。
「おはようございます、秋子さん」
「名雪はもう起きましたか」
「ああ。少し寝ぼけていますけど・・・・・」
本当は少しではないけど・・・・。
「本当に祐一さんがいてくれて助かるわ」
俺は朝食をおいてくれているいつもの席に座ると、
「おはようございますー」
目をごしごしこすりながら、名雪が隣りに座る。
「名雪、コーヒーにする?紅茶?」
「あ、コーヒーを飲むよ」
「わかったわ」
秋子さんは名雪のカップをもって、台所の方に行く。
「おはよう、祐一」
名雪は俺の隣りに座る。
「やっと起きたか、名雪。朝から歌を歌うのは気持ちよかったか?」
「・・・?何のこと、祐一」
トーストをかじりながら、名雪は俺に聞く。
「いや、何でもない」
やっぱり寝ぼけてやがったか、こいつ。
「真琴の奴はまだ寝てるのか?」
いつもなら「あうー」とかいって起きてくるくせに。
「真琴は今日のバイトは昼からだっていってたよ」
「なに!うらやましい奴め・・・」
真琴は今保育園のバイトに行っている。
はじめは子どもの相手に慣れなかったが、今では結構人気者のようだ。
あいつなりにがんばった結果だな・・・・。
「祐一、何か嬉しそうだね・・・・」
「そうか?」
別に変化はないと思うけどな。
「祐一は結構顔に出るもん。わかるよ」
名雪はにこにこしながらそう言ってくる。
こいつ、見てないようでけっこう人を見てるんだな・・・・・。
俺はトーストを食べ、コーヒーを飲み干した。
「じゃあ俺はそろそろいくぞ」
「わ、待ってよ。まだコーヒー・・・・」
「もう時間がないぞ。明日飲め!」
「それじゃあ遅すぎるよ〜」
「分かった分かった。じゃあ玄関で待っててやるから早くこい」
「うん、分かった」
慌てて食べる名雪を尻目に、俺は玄関へ向かった。


「さーて、時間のほうはどうだ、名雪?」
いつもの通学路も、冬が終わり、季節の変わり目か
暖かい光がてらされている。
今のこの季節が基本的に一番ここちいいと思う。
「うーん・・・走ったら十分間に合うよ」
「よし、じゃあ間にあわすぞ」
「うん!」
そうして走りながら、俺は名雪に話しかける。
「それにしても、もう少し朝、ちゃんと起きれないのか?」
「今の季節の朝が一番気持ちいいんだよ〜」
「おかげで最近走りながら登校するのが日課になったけどな」
「で、でも体は鍛えなれていい運動になるよ」
「・・・・・俺は余裕を持っていきたいんだけどな」
「う〜ん、何とか頑張ってみるよ」
名雪は12時間睡眠がベストだからな。
よく眠れるとは思うけど・・・・・。
「だいたいな、なゆ・・・・あれ?」
「どうしたの、祐一?」
あそこで歩いている人はひょっとして・・・・・
「名雪、悪いけど先にいっててくれ」
「え?・・・うん、分かった。遅れないようにね」
俺は名雪が走っていった後、前を歩く二人の肩をたたいた。

「おはよう、佐祐理さん、舞」









<第二話に続く>

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